バターナイフ ボクは刃物が小さい頃から好きで 小学校低学年の文房具屋さんに売ってる切り出しナイフや 十得ナイフを自分で研いだりしてたなぁ〜 でも、親父の刃物みたいに切れは良くならないんだ いくら研いでも光るだけで切れるようにならなかった 少し大きくなって親父に研いでもらうと 親父は危ないからと言ってしっかり研いでくれなかったんだ ボクはこっそり親父の居ない時に 親父の刃物をサヤから抜いて刃先をさわっていたよ いま、思えば切れ味を指でさわっただけで分かるようにはなってたんだ 6年生の時に町田のダイエーの中の山屋さんに売ってる 20センチ以上のすごいナイフを見つけた ボクは電車に乗って町田に遊びに行くのが好きだった デパートやゲームコーナーがたくさんあったからね でも、いつもそのショーケースの中のナイフだけは見に行ってたよ ボクはどうしてもそれが欲しくてお小遣い貯めたんだ だけど、いざソレを買おうとした時ボクはドキドキして困った 6年生のそれも見た目には4年生くらいだったボクが そんなもの買いに行っても売ってもらえないだろうと思ったのと 買ったところで親に見つかったら絶対怒られると思ったんだ その頃はそのナイフのことを考えただけでドキドキしてたのを思い出すよ でも、結果から言うとボクはその硬い皮のケースに入ったツカの部分が 鹿の角で出来ていて金属のツバの付いた重たいナイフを買ったんだ どうやって買ったかって❓ ボクには3つ年上の姉さんが居てそのナイフの話をして頼んだんだ 2人だけの秘密だった いま思えば姉さんだってドキドキしただろうなぁ その時はそんな事は考えもしなかったよ 大きくなるまでそのナイフは隠し持っていたんだ友達には見せたよ 基地作りの時には必ず持っていた そんな訳で木を削るのは子供の頃から好きだったんだ 今も思い出すと削りたくなるよ 箸やバターナイフやスプーンは刃物が好きな人はみんな削ると思うよ ボクは造形も好きだから形にこだわるんだ 初めからこの形にしようと思うことは考えない様にしてる 考えてもどんどん変わるからね 急いで仕上げるのもよくないね 趣味、趣味と思って削るのを楽しむんだ スプーンはよくあるステンレス製のヤツがいい形だと思ったよ角度とかね バターナイフはテーブルに置いた時に刃がテーブルに付かないのが良いね バターがテーブルに付かないからね 箸は軽くて先っちょは細めで断面が平らが良いのだ 先っちょが丸いのはダメだ おわんの底に残ったそうめんがつかめないからね 色々とこだわりが出てくるのも作り出してからだよ 先づは削ってみてよ
バターナイフ ---円(税込)
スプーン ---円(税込)